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府中市の中古マンションの耐震性の見極め方を不動産のプロが伝授


新年号の「令和」もようやく定着してきた感があります。「平成」を振り返ってみますと、多くの災害にみまわれた時代だったように思います。

平成7年には阪神・淡路大震災、平成23年には東日本大震災と2度も大震災がありました。それ以外にも、北海道の奥尻島、新潟の中越、熊本の益城町など大きな被害をもたらした地震がありました。

こうしたことから、府中市で中古マンションを検討されている方の中には「耐震性」を条件に入れておられる方も多いかと思います。いわゆる「旧耐震」「新耐震」の問題です。

ただ、そんな方でも、間違った解釈をされている方をよく見かけます。この記事では、正確に新耐震基準のマンションを見極める方法をお伝えします。

これは、自身による災害を避けるためだけではありません。旧耐震基準のマンションだと、住宅ローン減税や、かし保険などといった制度が使えなかったり、 フラット35が使えなかったりするデメリットがあるのです。

また、金融機関の住宅ローンでも旧耐震の物件に対して厳しいスタンスを取っているところも増えています。

住宅選びの基準として、今後の資産性を考えることが大事なことはこのサイトで何度もお伝えしております。今まで耐震性についてあまり気にかけておられなかった方も、ぜひこの機会に覚えておきましょう。

中古マンションの耐震基準は1981年6月に大きく変わった

耐震基準は建築基準法という法律に定められています。建築基準法は、人命の保護や財産の保全を目的として1950年(昭和25年)に制定されました。当初の耐震基準は、中規模の地震(震度5強程度)では倒壊しないこととされていました。これが旧耐震基準です。

1978年(昭和53年)の宮城県沖地震で大きな被害が出たことを契機に、1981年(昭和56年)6月1日に耐震基準が改正・施行されました。これが新耐震基準です。

その耐震基準は、

  1. 中規模の地震(震度5強程度)でほとんど損傷しないこと
  2. 大規模の地震(震度6強~7程度)で倒壊・崩壊しないこと

と大きく変わりました。

つまり、1981年6月以降を「新耐震基準」、1981年5月までの「旧耐震基準」と区切られているのです。

ここまでは、多くの方もご存知のことでしょう。

大事なことは、1981年(昭和56年)6月1日以降とは建物が完成した日ではないということです。ここを勘違いされている方が多く見受けられますので、注意を喚起しておきます。

基準日は確認申請日による

新耐震基準の建物とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認申請をしたものになります。

マンションを建てる流れは、設計→建築確認申請→確認済証受領→建築工事→完成検査→検査済証受領→完成引渡 となっています。つまり、建築確認申請から建物の完成まではタイムラグがあるのです。

マンションの場合は1フロアーに約1ヶ月の工期が必要といわれています。例えば15階建てのマンションなら建築工事に約15ヶ月(1年以上)かかります。

1982年に完成したマンションは旧耐震基準も混じっている

したがって、1982年(昭和57年)に完成したマンションには旧耐震基準のマンションも混じっていることになります。府中市のマンションの物件情報だけでなく、不動産の物件資料(マイソク)には、建物の建築年(完成)は書いてありますが、建築確認申請年月日は書いていません。また、不動産登記簿にも記載はありません。

調べる方法は、「建築確認済証」で確認するか、役所に保存されている「建築概要書」で確認しなければなりません。

昭和56年~昭和58年の物件であれば、必ずあなたの担当者(エージェント)に「建築概要書」を取寄せてもらって確認するようにしましょう。

 

ピロティ形式のマンションは耐震性が弱いことが多い

それでは、新耐震基準で建築されたマンションはみな同じ耐震性を持っているでしょうか?

一般的に、「ピロティ形式のマンションは耐震性が弱い」と言われています。

※「ピロティ形式」とは、1階部分が柱のみで壁がない建て方のものを言います。このマンションでは、各住戸は2階以上のフロアにあり、1階部分は駐車場や通路になっています。いわゆる下駄履きマンションと言われるものになります。

1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災のときに、新耐震基準によって建てられたピロティ形式のマンションで倒壊被害がみられ、ピロティ形式でないマンションには倒壊被害がなかったことから言われ始めました。

2006年(平成18年)の建築基準法の改正で、ピロティ形式の建物に関する規定が見直されました。2006年以降のであればピロティ形式のマンションでも問題ないでしょう。

2011年(平成23年)の東日本大震災でも2006年以降の建物には倒壊被害はありませんでした。

ちなみに、2006年の建築基準法の改正で、建築確認・完成検査が厳格になり、中間検査も義務化されました。

耐震改修工事がされている中古マンションの注意点

旧耐震基準のマンションでも、極稀に「耐震改修済み」と物件資料(マイソク)に書いてあるものがあります。通常、マンションの耐震診断や耐震改修には多くの費用がかかりますし、管理組合で合意を形成するのも難しいものです。

東京のとあるマンションで、耐震診断までは行ったのですが、耐震改修の費用が膨大で工事をしなかった物件があります。耐震診断で耐震性に問題ありとなったまま工事をしていないので、金融機関が住宅ローン融資に二の足を踏んでいて売却しにくくなった という笑えない実例もあります。

このように、耐震改修済みの物件は希少性があります。旧住宅供給公社やUR(旧住宅整備公団)が分譲したマンションでたまに見かけます。

しかし、「掘り出し物件」だ と飛びつくと次のような落とし穴にハマることがあるので注意が必要です。

現行の耐震基準を満たしているわけではない

実は、物件資料(マイソク)に記載されている「耐震改修済み」にも様々なものがあるのです。現行の耐震基準に適合する基準にまで達した工事ではなく、予算や合意形成のハードルなどの事情により、一部改修で終わっているケースもあるのです。

現行の耐震基準に適合する基準に達していないと、住宅ローン控除が受けられませんし、かし保険にも加入できません。

現行の耐震基準を満たしているかどうかの確認方法

それでは、どうやって現行の耐震基準を満たしているかどうか確認すれば良いのでしょうか?

これは、非常に専門的な話になりますので、管理組合や管理会社に問い合わせても明確な答えは得られないでしょう。

効果的な確認方法は、「助成金などを利用しましたか?」と聞いてみることです。なぜなら、自治体の補助金や助成金は、現行の耐震基準を満たすことを要件にしているからです。

現に、府中市には特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震助成制度」があります。こういった助成金を利用していると、管理組合に「補助金認定書」などといった文言の書類があるはずです。

旧耐震基準の中古マンションでも耐震性があるものも

ちなみに、旧耐震基準のマンション全てが耐震性が低いわけではありません。

旧耐震基準のマンションでも倒壊の可能性が低いものもあります。それは「壁式構造」のマンションです。

マンションの建て方には、「ラーメン構造」と「壁式構造」があります。

「ラーメン構造」では柱や梁で建物を支えているのに対して、「壁式構造」では壁で建物を支えています。


(出典:一般社団法人日本建築学会

ラーメン構造が一般的ですが、5階建てまでのマンションでは、壁式構造のマンションをみかけることもあります。壁式構造のマンションでは耐震基準適合証明書が取れることもあります。

古くて安くても耐震基準適合証明書が取得できるのであれば、保険も安く、住宅ローン減税を利用できるので、府中市でも壁式構造の旧耐震マンションは検討の価値があるといえます。

ただ、リノベーションなど間取り変更に対応しにくいですし、開口部を大きく取りずらく、人気の大きな窓は設置できませんので、その点注意してください。

まとめ

最後に府中市で中古マンションを探すときの耐震性についてまとめておきます。

  • 中古マンションの耐震基準は1981年6月に大きく変わった
  • 基準日は完成日ではなく、確認申請日による
  • 1982年に完成したマンションは旧耐震基準も混じっている
  • ピロティ-形式のマンションは耐震性が弱いことが多い
  • 耐震改修工事が施されていても、現行の耐震基準を満たしていないこともあるので注意が必要
  • 現行の耐震基準を満たしているかどうかは、府中市(自治体)の補助金を受けたか確認
  • 低層マンションは旧耐震基準であっても現行の耐震基準を満たしている場合が多い

これらのことを参考にしながら、府中市の中古マンションを探すようにしてください。

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