一戸建て

東京府中市の一戸建ての相場とその推移は?


東京府中市の一戸建てを探すときに気になるのが、相場の推移ではないでしょうか。相場の状況によって出来ればお得な時期に買いたいと思う方も多いと思います。この先売却しようと思った時の資産価値が気になる方もいらっしゃるでしょう。

そこでここでは、東京府中市の一戸建ての相場とその推移について見ていきますが、2018年から大きな転換点を実は迎えています。相場の推移だけでなく、その変換点やそれに対する注意点にも言及していますので、特にこれから一戸建てを購入したいとお考えの方は、ぜひ読んでいただくことをお勧めします。

一戸建ての価格の計算式を知りましょう

まず相場とは少し話がずれますが、一戸建て住宅の価格の計算の仕方をお伝えします。なぜこの話を最初にするかというと、一戸建ての価格は、土地と建物を分けて考えることでお得な物件を見つけやすくなるからです

一戸建ての価格を求める際に使う計算式はシンプルで、土地価格+建物代金という計算式になります。

新築戸建てでは、土地価格+建物価格+業者の利益となります。また中古戸建ての場合は、土地価格+建物の残存価値となります。

残存価値とは、税務上の耐用年数が利用されて計算されます。また中古住宅の場合は、現在の平均的な新築の坪単価を利用して計算します(再調達価格といいます)。もちろんメーカーなどによって変わるものの、平均的な目安でいくと以下になります。

構造耐用年数坪単価目安
木造22年55万円?
鉄骨造35年80万円?
RC造47年90万円?

これだけだと少し分かりにくいので、例を挙げて計算をしてみたいと思います。

中古戸建ての例

建物面積100?、木造、築10年

この建物の評価額を計算すると、まずは?数を坪に変換する必要があります。坪に?を変換するときは?数に0.3025を掛けると坪数になります。

ここでは建物面積が100?なので、0.3025を掛けると、30.25坪になります。

木造で築10年なので、残存価値は22年ー10年=12年となります。この木造住宅を坪50万円で計算すると、

50万円×30.25坪×12年/22年=825万円となります。

これに土地価格を合わせれば、一戸建ての価格が計算できます。特に中古戸建てを探す場合は、この計算の仕方を知っておくと、丁寧に使用されていて、まだ利用価値があるにも関わらず、ほとんど土地価格だけで売られているような掘り出し物件を見つけやすくなります。

一戸建ての価格相場は土地の相場を見るといい

また一戸建ての相場をデータで見ても、建物の状態によってその価格が大きく変わってくることがご理解いただけると思います。

ですから、一戸建ての相場をみるには、土地の相場を見るといいです。なぜなら建物がもし全く同じ条件で、土地の広さなどの個別性も同じであれば、相場の推移は土地の価格の推移となるからです。

またこの計算式を当てはめて計算すると、新築の価格と相場に差があることが分かると思います。

この価格の差のことを「新築プレミアム」といって、これは売主業者の利益部分にあたります。よく新築は買った瞬間に価値が2割落ちるなどと言われたりしますが、それはこの「新築プレミアム」がなくなって相場で評価されるようになるからです。

ですから、新築戸建てを購入する場合は、特に資産価値について注意しておく必要があります。

参考記事:資産価値になる家とはどんな家か?

東京府中市の土地の相場の推移は?

それでは、東京府中市の土地の相場の推移を見ていきたいと思います。

このグラフは、2013年からの公示価格と取引価格の平均坪単価をまとめたものになります。

公示価格とは、国土交通省があらかじめ定めた地点で、1月1日時点での価格を公示するものです。時差はあるものの、同じ地点の価格になるので、取引価格のように個別の条件による価格差がなく、その地点での価格の推移が非常に分かりやすい数値です。

この公示価格の推移を見ると、2013年から2019年にかけて、約1割ほど上昇しており、緩やかに上昇していることが見て分かります。都心部のマンションなどと違い、一戸建てには投資マネーが流入しにくい分、実需にもとづいた価格形成がされていると見ることが出来そうです。

ただこのグラフは、あくまで東京府中市の全体的な相場であって、個別で見ていくと、上がっているところとそうでないところの明暗が分かれる結果になっています。

次は個別のエリアの価格推移を見ていきたいと思います。

東京府中市のエリアごとの相場推移(2019年)

以下に東京府中市のエリアごとの相場と、高騰率(下落率)の推移をご紹介します。

順位エリア坪単価高騰率(下落率)
1清水が丘151万円+12.19%
2日新町69万円+8.62%
3天神町99万円+4.86%
4本宿町89万円+4.71%
5府中町280万円+4.22%
6白糸台101万円+3.22%
7西原町86万円+2.98%
8南町88万円+2.90%
9八幡町134万円+2.81%
10是政89万円+2.54%
11西府町89万円+2.28%
12紅葉丘99万円+1.60%
13住吉町99万円+1.60%
14分梅町110万円+1.22%
15朝日町92万円+1.09%
16晴見町99万円+1.02%
17小柳町87万円+0.96%
18浅間町81万円+0.83%
19新町87万円+0.77%
20栄町97万円+0.51%
21美好町107万円?0.49%
22押立町86万円?0.96%
23武蔵台92万円?1.69%
24多磨町82万円?3.70%
25北山町92万円?4.17%
26四谷74万円?5.51%
27緑町120万円?6.25%
28宮町207万円?6.93%
29若松町90万円?13.38%

これまでは全体的に、府中市全体の値動きと同じように各エリアとも相場が推移してきましたが、2019年になって急に上がるところと下がるところで差が出ました。

なぜ2019年に急にエリアの格差が開いたかというと、主な要因として2018年に作成され、公表された「立地適正化計画」によるところと考えられます。

立地適正化計画とは、今後街づくりにおいて最も大きな影響をもたらし、資産価値においても非常に大きな影響を与える施策です。今日本全国で、国が主導して、各自治体がこの立地適正化計画に取り組み、その計画を公表していますので、その動向を注視しておく必要があります。

参考記事:知らないと大損?立地適正化計画って何?

東京府中市で戸建を買うときの注意点

このような府中市の一戸建ての相場の推移を見ていると、どんなことに気を付けて一戸建てを購入するすればいいのかが、ある程度分かってきます。特に2018年は立地適正化計画が案とはいえ、一般に公表されたので、これから購入する人にとっては分かりやすくていいかもしれません。

東京府中市ではほとんどが居住誘導区域になりますが、一部区域外に設定されている箇所もあります。ですからまず第一条件として、居住誘導区域外にある一戸建ては買わないように注意しましょう。

そしてもう一点、気を付けていただきたいのが、災害リスクです。東京府中市は地盤が固く、地震による液状化などの被害は比較的小さいと言えます。しかし、多摩川の北側においては水害リスクがあります。

詳細は府中市のホームページにも掲載されていますが、せっかく家を買うのであれば、ぜひ災害リスクの低い土地の一戸建てを買った方が合理的な選択かと思われます。

また災害リスクは、立地適正化計画とも密接にかかわっていて、全国的にみても、災害リスクの高い立地ほど居住誘導区域外に設定されている傾向があります。ご家族の安全はもとより、将来的な資産価値にも大きな影響がありますので、府中市で一戸建てを探すときは、ぜひこのことに気を付けてください。

将来の相場と資産価値の推移を予想!

東京府中市の一戸建ての相場推移と、そこに見られる大きな変化について説明してきました。建物の新しさや間取りなど、住みやすさを考慮した視点と、資産価値を考慮したより広い視点を持つことが、これからの不動産選びには欠かせません。

府中市は、2008年の「東京都内生活者実感ランキングベスト20」で1位を獲得するなど、住民の満足度も非常に高い自治体の一つです。その他緑豊かな環境もあり、今後も需要が見込めるエリアになるので、全体としては堅調に推移するものと思われます。

ただ先ほどもお伝えした通り、これからはどこでどんな物件を購入すればよいのか、という視点がこれまで以上に重要になってきます。大きな買い物で後悔してしまわないためにも、正しい知識と相場観を身につけたうえで、ご自身にあった一戸建てを見つけていただければいいのではないでしょうか。

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家を探し始めたばかりの方は、こちらの特別レポートをぜひご覧ください。

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