一戸建て 税制・補助金

府中市の中古住宅購入で住宅ローン控除を使うためには?


府中市で住宅を取得しようと考えている方であれば、既に住宅ローン控除について、ご存知の方が多いかと思います。ただその一方で、正しく内容を理解している方は、正直少ないというのが実際のところではないでしょうか。特に中古住宅は耐震性が絡むため、その傾向は強まります。

ここでは府中市で中古住宅の購入を計画する方が、住宅ローン控除を使うためには、どうのような注意点があるかを解説してみました。

記事では住宅ローン減税には築年数による制限があるのか、また「制限がある場合は、これを超えるとローン控除はまったく使えない?」などの疑問にも答えています。計画を進める前に、ぜひご一読ください。

中古住宅・中古戸建てでも住宅ローン控除は利用できる?

あらためて住宅ローン控除とは何かを手短に言うと、お支払いになっている所得税・住民税に限り、年末の住宅ローン残高に応じて一定の割合(現行は1%)が還付される減税制度です。

住宅ローン控除制度で現在もよく勘違いされることは、住宅ローン控除が「年間最大で40万円(もしくは20万円)返って来る」制度だとする“謳い文句”でないでしょうか。

この“謳い文句”自体は間違いではありませんが、現実のローン控除は、仮に年末のローン残高が1800万の場合は18万円の範囲で、しかもお支払いの所得税と住民税の範囲でしか戻ってきません。

そのため通常のサラリーマン世帯だと、10万前後か10数万円程度の還付となるケースが多いかと思います。この点はいたずらに勘違いしないよう注意してください。

また住宅ローン控除は、手を替え品を替え長く継続してきた新築住宅ではお馴染みの制度ですが、もちろん中古住宅・中古戸建てでも利用できます。ただし住宅ローン控除が受けられる中古住宅は、相応の要件を満たさなくてはいけません。

これについては、順を追って解説します。

ココに注意

中古住宅は消費税がかかる物件とかからない物件で住宅ローン控除の限度額が変わります。消費税がかからないものは個人が売主の物件になります。この場合上限が年間最大で20万円(10年間で200万円)となります。一方消費税がかかるものは売主が不動産会社である物件です。この場合だと年間最大で40万円(10年間で200万円)になり、消費税増税によって住宅ローン控除が延長となるのは、消費税がかかる中古住宅のみであることに注意してください。

 

消費税によって限度額などの条件が変わる?

また住宅ローン控除についてもうひとつ押さえておきたいこととして、2019年10月1日から実施予定の消費税増税(税率が8%から10%に変わる)によって、現行の控除期間が10年から13年に延長となります。

今回の延長は、消費税率10%が適用される住宅を取得し、令和元年(2019年)10月1日から令和2年(2020年)12月31日までの間に居住用に供した場合(入居)、以下のいずれか小さい額を最長3年間に渡って拡充します。つまり最低でも増税負担分を、期限を切って還元するのを目的に拡充策と考えればいいでしょう。

分かりやすいように比較表を掲載します。(消費税課税物件のみ)

消費税増税前と増税後の住宅ローン減税の比較

居住の用に供した 適用される消費税率 年末時点での住宅ローン残債額限度 最初の10年間の住宅ローン減税 11年目から13年目までの住宅ローン減税
2019年9月30日以前 8% 4,000万円(認定住宅等5,000万円)
非課税の住宅(売主個人)は2,000万円
1% 11年目以降の住宅ローン減税は無
2019年10月1日~2020年12月31日* 10% 1% 「住宅ローンの年末残高×1%」か「建物価格×2%÷3」の低い方

ただ注意が必要なのは、2019年10月1日以降の入居でも、2019年3月31日までに契約した場合は消費税8%が適用される点です。

また入居した日付は2020年12月31日までが対象となりますので、拡充策が該当する期間は決して長くはありません。

そのため、今回の拡充策を利用しようと考えている方は、2020年12月31日までに入居を完了するということを目安に動かれることをおすすめします。

消費税がかかる物件とかからない物件の見分け方

なおご存知の方も多いでしょうが、消費税がかからないかどうか、それぞれの違いは簡単にチェックできます。

まずウェブ上か販売広告を確認し「取引態様」に注目しましょう。消費税非課税にあたる中古物件は、大抵「媒介」「仲介」または「代理」と表示されています。

反対に「取引態様」が「売主」とあれば、不動産会社が自ら販売している中古マンションや中古戸建てです。この場合は消費税非課税ではなく、消費税が課税されますので、今回の拡充措置は適用となります。

他にも取引態様が、「媒介」や「仲介」であったとしても、「リフォーム済み物件」や「リノベーション済み物件」である場合も、売主が不動産会社であることが多いです。

以上が増税前の直近の注意点です。これに該当しそうな方は覚えておくと良いでしょう。

 

住宅ローン控除を受けるための要件

それでは、話が前後するようですが、住宅ローン控除を受けるための要件を以下にまとめておきます。

  •  住宅の引渡しまたは工事の完了から6ヶ月以内に自ら居住する住宅である
  •  住宅ローンの償還期間が10年以上である
  •  合計所得金額(世帯年収)が3,000万円以下である
  •  床面積が50㎡以上の住宅である
  •  中古住宅の場合は必要な耐震性があること
  •  居住を開始した前後2年間(2019年に取得した住宅は2017年から2021年までの計5年間)、「長期譲渡所得の課税の特例」などの減税措置を受けていないこと

以上の6つが住宅ローン控除の必須要件です。厳密にはもっと細かな要件がありますが、一般の方が押えておく分にはこの6つで十分です。

ただ、注意すべき点は「中古住宅の場合は必要な耐震性があること」です。「必要な耐震性」については次項の「築年数に気を付ける」で解説します。

またこのほかで注意して欲しいことは、住宅ローン控除とは「純粋に自分が住むための住宅に使える制度」という点です。そのためセカンドハウスや別荘はもちろんですが、賃貸経営など投資目的に購入した住宅にローン控除は使えません。またこれは住宅ローンそのものについても同じ解釈です。

 

府中市で中古住宅を探すときの注意点

それではいよいよ、住宅ローン控除を受ける前提で、府中市で中古戸建てや中古マンションなど、中古住宅を探すときの注意点をまとめておきます。

築年数に気を付ける

住宅ローン控除を中古住宅で考えるとき、まず気を付けたいことは築年数です。築年数要件は、木造戸建てなどの非耐火建築物は築年数が20年以内、マンションなどの耐火建築物は25年以内です

築年数は、登記簿謄本に書かれている建築年月日を調べます。

なお耐火構造とは、登記簿に記載する家屋構造のうち、主な部分の構造材が石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造の建物をいいます。

このためツーバイフォー(省令準耐火)や軽量鉄骨造は、耐火構造から除外されます。つまり軽量鉄骨造は木造と同じ築年数は20年に該当します。

築年数要件を満たさないときは

中古住宅でも規定の築年数を満たしていれば、住宅ローン控除が使えるということはわかりました、それでは、築年数要件を満たさない中古住宅は、住宅ローン控除を使えなのでしょうか?

実は築年数要件を満たさなくても、それに応じた要件を満たせば、住宅ローン控除を使える可能性は残っています。ひとことで言えば、現行の耐震基準を満たしているかどうかです。

そして、耐震基準を満たしているとを証明する書類が

  1. 耐震基準適合証明書
  2. 既存住宅性能評価書
  3. 既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書

の3つです。この3つのうちから任意の証明書を取得し、現行の耐震基準を満たしている、または「耐震等級が1以上(1とは確認申請済書所得レベル)」あるかなどを証明します。

ただ注意して欲しいのが、2000年4月1日に施行された「品確法」により登場した2番目の「既存住宅性能評価書」です。「既存住宅性能評価書」は、通常であればトータルのページ数も何十ページにも及び、ボリューム的にも既存住宅の場合は9分野の住宅の性能を表示・評価する設計図書となります。

そのため型式認定を取っている大手ハウスメーカーなら別ですが、「構造の安定」だけを評価する場合でも膨大な時間と労力がかかる上に、耐震基準を満たすための工事も必要です。

したがって既に「既存住宅性能評価書」を取っている場合を除くと、ローン控除のためだけに取る書類としては、1番目の「耐震基準適合証明書」か、3番目の「既存住宅売買瑕疵担保責任保険」の付保証明書がより現実的です。

耐震に関する証明書の発行難易度

(難易度低め)耐震基準適合証明書 > 既存住宅瑕疵保険 > 既存住宅性能評価書(難易度高い)

また木造の中古戸建ての確認申請は、建築基準法が大きく改正された1981年6月以降の「新耐震基準」ではなく、更に耐震基準を大きく改正した2000年6月からのいわゆる「2000年基準」が現行の耐震基準のベースと考えられます。

引渡しが終わったあとでは手遅れ

規定の築年数を越えた中古住宅でも、住宅ローン控除が使える方法として、「耐震基準適合証明書」と「既存住宅売買瑕疵担保責任保険」の付保証明書を取得することがより現実的な方法となることは前述の通りです。

ただここでも注意しなければならないことがあります。それは、これらの書類は、原則として「物件の引渡し前」までに取得しておく必要があるということ。

また書類を取得するにしても、売買契約前からこの制度を利用する準備が必要です。なぜなら予定していた住宅ローン控除が、無駄になってしまうことが十分考えられること。さらに引渡しが終わったあとでは、すでに手遅れとなるケースもあります

以下にポイントを3つに絞って、注意点を列挙しておきます。

証明書にあたりローン控除を希望する方が押えておくべき3つ注意点

1)「耐震基準適合証明書」や「既存住宅売買瑕疵担保責任保険」の付保証明書を取る場合は、少なくとも売買契約を締結する前から、売主に申請者となってもらえるように打ち合わせを進めておきます。

特に「耐震基準適合証明書」の場合は耐震診断、「既存住宅売買瑕疵担保責任保険」の場合は保険の現況検査を受けるのに、どちらを選んでも売主の許可が必要です。

2)2000年5月以前の木造戸建て住宅では、耐震診断を実施すると高い確率で改修工事が必要と判定されます。

先ほども書きましたが、2000年6月以降に耐震基準が大きく変わりました。そのため、1981年6月以降の「新耐震基準」ではRC造などの耐火構造は有効でも、木造戸建てでは対応できません。

あまり古い物件の場合は、耐震改修工事のことも含めてエージェントとよく話し合い、より良い方向を選択してください。

3)2014年度から引渡し後(所有権移転後)、居住開始までに改修工事を実施することで、「耐震基準適合証明書」を取得する方法が追加されました。

これは、1)の方法で売主から申請を断られた場合や、中古戸建てで書類を取得する方法としてもより現実的な施策です。

ただしこの方法を選択した場合

  •  引渡し前に新住所で登記をしてしまうと制度自体が使えなくなる
  •  登録免許税の減額は対象外となる

など、気を付けなければいけない注意点が幾つかあります。これについても、詳しくは担当エージェントと話し合い、総合的に見て良い選択をとっていただきたいと思います。

 

耐震基準適合証明書・住宅瑕疵保険の注意点

これ以外にも耐震基準適合証明書や住宅瑕疵保険について、いくつか注意点がありますので追加しておきます。

耐震基準適合証明書を取ろうしても、耐震診断が不可となるケースも?

築年数の要件を満たさない場合は、耐震診断によって必要な改修工事を施せばローン控除を受けられますが、構造が純粋な木造以外の戸建住宅では構造計算が必要です。

これが思いのほか高額、または耐震診断が不可と判断され、耐震基準適合証明書の取得を諦めざるを得ない例があるようです

木造以外の構造とは軽量鉄骨造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造ですが、中には1階の一部分を鉄筋コンクリートでピロティ駐車形式にして、その他の部分を木造とする平面的な混構造の物件でも、耐震診断が不可と判定される例があるようです。

改修費用がかさむ場合は、別の方向性を考えないといけない

また住宅瑕疵担保責任保険についても、保険で必要とされた適切な耐震改修や改修工事をすれば良いのですが、改修費用がかさむ場合は経済性を考慮し、アタマを切り替えて他の物件を探さなくてはならないケースもあります。

 

住宅ローン控除だけでなく、贈与の非課税枠や登録免許税の減税なども同じ要件に

最後に住宅ローン控除と同じ減税措置として、贈与の非課税枠や登録免許税の減税も紹介しておきます。

贈与の非課税枠

住宅資金の贈与非課税枠とは、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅を取得資金の贈与を受けた場合、一定の要件を満たすと限度額までは非課税となります。

ここで言う一定の要件とは

  •  贈与を受ける者が20歳以上
  •  年間の合計所得が2,000万円以内
  •  贈与を受けた年の翌年3月15日までに自分が住む家であること
  •  床面積が50㎡以上、240㎡以下であること
  •  中古住宅は住宅ローン控除が適用される物件の条件を満たしていること

このように、比較的大きな優遇税制である、贈与税の非課税枠に住宅ローンと同じ要件を満たしている必要があります。しかも、贈与の非課税枠は消費税増税に伴い、消費税がかかる物件については住宅ローン控除同様、非課税枠が拡大されました。

契約及び入居時期 一般住宅 省エネ等住宅
2020年3月31日まで契約した物件 2,500万円(700万)まで拡充 3,000万円(1200万)まで拡充
2021年3月31日まで契約した物件 1,000万円(500万)まで拡充 1,500万円(1,000万)まで拡充
2021年12月31日までに入居した物件 700万円(300万)まで拡充 1,200万円(800万)まで拡充

※カッコ()内に記載された数字は、拡充策を使えなかった消費税8%時の数字です。

ここの条件を満たさないと利用ができないため、失敗してしまわないように注意が必要です。

登録免許税の軽減税率

住宅ローン減税と同じく現行の耐震基準を満たしている必要がある税制優遇に、登録免許税の減税税率があります。建物の登録免許税の軽減税率は以下のようになります。

登記種別 本則税率 住宅の特例税率
所有権保存登記 0.4% 0.15%
所有権移転登記 2.0% 0.3%
抵当権設定登記 0.4% 0.1%

登録免許税とは司法書士の登記手続きなどで費用が掛かってくるもので、金額はさほど大きなものではありません。そのため利用者はあまり意識しないのではないでしょうか。

しかし実際に評価額が1200万円の住宅で、借入2000万円で計算してみると、

【所有権移転登記】

本則課税:1200万円×2.0%=24万円

軽減税率:1200万円×0.3%=3.6万円

差額:20.4万円

【抵当権設定登記】

本則課税:2000万円×0.4%=8万円

軽減税率:2000万円×0.1%=2万円

差額:6万円

この例を見ても、差額合計が26.4万円と比較的高額になります。なお登録免許税には増税による拡充策はありませんが、適用要件をみると

  •  住宅ローン減税と同じで、中古住宅は築年数要件や現行の耐震基準を満たしている
  •  物件の床面積が50㎡以上
  •  市町村が発行する住宅家屋証明書を取得している(司法書士が代行)

などがあり、登録免許税の軽減税率でも築年数要件と現行の耐震基準を満たしていることは変わらず付いてきます。

また「耐震基準適合証明書」の取得方法に、2014年から追加された方法を選ぶと、登録免許税の軽減税率は本則のままとなります。使うことを考えている方はよく検討してください。

府中市の中古住宅購入で失敗しないためには、不動産業者選びから

ここまで記事を通して読んでいただくと分かる方もいると思いますが、中古住宅(中古戸建て)は掘り出し物が見つかりやすいというメリットもありますが、取り扱いには税制や耐震などに対する建築知識などが欠かせません。

特に中古住宅は取り扱い難易度が、住宅種別の中でも最も高いといわれていて、経験や知識が必要になります。

経験や知識のない業者から住宅を購入したばかりに、本来受けられるはずであった住宅ローン減税などが利用できない、使えると聞いていたのに使えなかった、といったトラブルが多く発生しています。

府中市で中古住宅を購入するときは、失敗しないためにも不動産業者選びからしっかり行うようにしてください。

まとめ

この記事のポイントを整理しておきます。

  •  中古住宅は消費税がかかる物件と非課税物件に分かれます。個人間売買の非課税物件では、住宅ローン控除の限度額が変わる点に注意しなければいけません。
  •  中古住宅に追加する住宅ローン控除の必須要件として、非耐火建築物は築20年以内、耐火建築物は築25年以内。また木造戸建ては、現行の耐震基準を満たしている必要があります。
  •  規定の築年数を越える中古住宅でも「耐震基準適合証明書」や「住宅瑕疵保険」の付保証明を準備することで、住宅ローン控除の適用は可能です。
  •  ただし耐震診断や「瑕疵担保保険」の付保は難しいケースもあり、物件によってはすすめられない場合もあります。

中古戸建ての住宅ローン控除は、耐震性が絡んでくるため一度で理解することは難しいかもしれません。それでもポイントは上記の通りですので、不明な箇所は繰り返し読むようにしてください。

参考になったら「いいね!」をお願いします。

家を探し始めたばかりの方は、こちらの特別レポートをぜひご覧ください。

⇒ 特別レポート「住宅購入で絶対失敗しないための3つの方法」

-一戸建て, 税制・補助金

Copyright© アーチ地所有限会社 , 2024 All Rights Reserved.