一戸建て

中古住宅を購入する時はホームインスペクションが必須


近年、中古マンションの価格が高騰しており、中古住宅に値ごろ感がでてきて人気になっております。

しかし、多くの買主にとっては、中古住宅は新築と異なり建物は経年劣化しており「欠陥住宅」ではないか不安なものです。

資料といっても概ねA4のマイソク(物件資料)しかなく、あとは現地見学だけで建築の素人である買主が判断しなければならない。

しかも「現状有姿」の取引ですと突き放されてしまうので、思い切って購入へと踏み出すことがためらわれてしまうのではないでしょうか?

「人生で最大の買い物」といわれる住宅購入です。失敗は避けたいものです。

購入する前に、プロが中古住宅の構造耐力上の重要な部分を調査してくれ、問題の有無、また、劣化箇所や修理が必要な項目を説明してくれる。買主にとって心強いサービスがホームインスペクション(建物状況調査)です。

この記事では、ホームインスペクションの内容、メリット、注意点について詳しく解説します。

ホームインスペクションとは?

ホームインスペクションとは、簡単にいうと、中古住宅の状態を調べることです。

具体的には、建物に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、天井裏や床下点検口やシンク下点検口など、確認可能個所からのぞきこみ、そこから目視できる範囲で、建物の構造耐力上の重要な部分の状況を専門家によって調査します。建物の「健康診断」とイメージすると分かりやすいです。

中古 住宅 インスペクション

画像出典:SUUMO

住宅のどこを調べるのかは、下の画像をご覧ください。

中古 住宅 インスペクション

画像出典:国土交通省「建物状況調査(インスペクション)を活用しませんか?」

住宅の基礎、柱、梁、屋根、天井、土台、床、バルコニー、外壁、内壁、小屋組 と多岐にわたります。これらを、部材のひび割れ、欠損、シロアリの害、腐食、雨漏り、水漏れ

がないかを調べます。

そして、このような報告書を作成してもらえます。

中古 住宅 インスペクション

画像出典:さくら事務所ホームインスペクション

費用は、概ね基本料金が5〜6万円で、そこにオプション(屋根裏や床下の検査など)を追加していきます。

調査を担当するホームインスペクター(住宅診断士)の資格は国家資格ではなく民間資格ですが、住宅のプロである建築士や建築施工管理技士の資格を持った方が研修を受けてなっているケースが多いです。

ホームインスペクションは、欧米では広く普及しており、今や住宅購入時には欠かせないものになっています。

国も、中古住宅の流通促進に舵をきりました。買主が安心して購入できる市場環境を作ろうとしてホームインスペクションの普及促進を進めています。

国土交通省も2013年に「既存住宅インスペクションガイドライン」を策定して、インスペクションの方法や項目を示し、インスペクション自体の品質の標準化をしています。

また、2018年には宅地建物取引業法を改正し、不動産会社にホームインスペクションを売主・買主に説明し、インスペクション業者の紹介・斡旋ができるかどうかを告知することを義務化しました。

これまで中古住宅は、建物の状況がよく分からないので、建築後10年で半値、25年でゼロ というの査定がとおり相場でした。ホームインスペクションが普及すれば、建物の品質・価値に見合った価格で中古住宅の売買ができるようになるでしょう。

中古住宅購入時になぜホームインスペクションが必要なのか?

中古住宅購入時にホームインスペクションが必要なのは、買主に大きなメリットがるだけでなく、売主にもメリットがあるからです。

買主のメリットとしては、以下の8つがあげられます。

  1. 専門家(インスペクター)による診断結果を判断材料にして、自信をもって購入するかどうかの決断ができる。
  2. ホームインスペクション結果が良ければ安心できる。
  3. もし、ホームインスペクションの結果が悪くても、問題点(瑕疵・劣化など)の補修を負担してでも購入すべき物件かどうか判断できる。
  4. 購入後のリフォーム計画を立てやすい。
  5. 第三者の中立的な診断結果を知ることができる。
  6. 5〜6万円の少ないコストでリスクヘッジができる。
  7. 入居後に瑕疵担保などのトラブルを防げる。
  8. 必要なリフォームと不要なリフォームがわかる。

売主のメリットとしては、以下の5つがあげられます。

  1. 売買契約前に建物の瑕疵がわかる。
  2. 売却開始前に自らホームインスペクションをやって、補修しておくことで売りやすくなる。
  3. 買主に対してホームインスペクション済みの物件としてPR材料になる。
  4. 瑕疵等がある場合、事前に告知しておき、売却後に責任追求されないようにできる。
  5. 売却後の買主とのトラブルが減る。

注意点としては、買主がホームインスペクションを行う場合は、購入申し込みしてから時間が必要になります。その間に他の買主に物件を取られてしまうケースがあることです。また、他人に自宅を隅々までチェックされる売主さんに充分配慮して、承諾を得る必要があります。

中古住宅だけでなく新築住宅や浅築の物件でもホームインスペクションは必要

確かに新築住宅は、検査済証もありますし、売主は業者であり瑕疵保証も長期間あります。しかし、チェックの甘さや施工ミスも考えられます。

実際、1人の現場監督が20〜30棟くらの現場を管理しているケースも多く、管理が行き届かない懸念もあります。念には念を入れてホームインスペクションを実施されることをオススメします。

リフォーム・リノベーション済み物件でもホームインスペクションは必要

リフォーム・リノベーション済みの物件についても、新築と同じ理由でホームインスペクションを実施されることをオススメします。見た目に惑わされることなく、客観的に判断することが大切です。

ホームインスペクションになれた不動産会社を選ぼう

前述したように、2018年以降は、不動産会社はホームインスペクションについて説明等の義務を負っています。

中古 住宅 インスペクション

画像出典:国土交通省「「宅地建物取引業法の一部を改正する法律 概要

具体的には、売主・買主双方に、媒介契約時・重要事項説明時・売買契約時の3つのタイミングで、ホームインスペクションの内容を説明することと、ホームインスペクション業者の斡旋の可否、ホームインスペクション結果の説明しなければなりません。

このことは、不動産会社が、ホームインスペクション内容を熟知し、スムーズにホームインスペクションを手配、実行の段取りすることが必要になります。知識だけでなく慣れも必要です。また、ホームインスペクションの結果を説明するには建築知識も必要になってきます。

中古住宅の仲介実績豊富なホームインスペクションになれた不動産会社を選んでおくのが中古住宅購入を成功させる必要条件になります。

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